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墨華書道展開催趣旨



 私も子供のころから、足が不自由な状態の祖母と一緒に生活してきた
経験から、障害者と健常者が出会い、心から友達になることは、
とても尊く素晴らしい事と感じておりました。しかし、それは勇気のいることですし、不安もあります。
 今回出品している人達も、様々な思いで書の道に入り、
その芸の中で心の豊かさを育てながら、活動してゆく中で、
知らない間に障害者を取りまく問題点に目を向ける。
「共に生きる社会」をつくることが「書」で出来るのではないか。
平常は、そういった機会をつくるのは、県や市町村等の
行政機関が主体となって行っています。
 今回は同じ気持ちで展覧会という機会に友人をつくり、
身の回りのいろいろな問題(たとえば就職の問題・進学の問題・
障害者に対する意識の問題・障害者が生活するための環境の問題等)
を一緒に考え、「社会に対して一歩前に出る」という意味で、
自信を持つ足がかりにしたいという目的に立って
「墨華展」を開催しようと考えました。
「共に生きる社会をつくる」、ということは、
多くの人達の共通の思いとして実現させてゆきたいと思っています。
今後も、書展を通して活動してゆきたいと思っておりますので、
何卒よろしくお願い致します。

                

                                                     墨華書道会 大塚呉峰拝